SHAKOBA

EVENT&REPORT

利用者から“中の人”に変わる瞬間  〜両者の視点から見るSHAKOBAの可能性〜

2020.08.06

コラム

リビタは「BUKATSUDO」「the C」「ハマラボ!!!」などのスペース運営を通じて、多種多様なコミュニティ創出の機会を提供してきました。

同時にそのコミュニティが「サービスを提供する側と受ける側」という関係を超えたつながりを生み出す場となり、

当初は施設の利用者だった方々と共に新たなプロジェクトに取り組むことも数多く経験してきました。

第二回目となる今回の鼎談では、SHAKOBAで“中の人”として企画・運営に携わっていただくお二人を迎えて、

リビタが運営するスペースを「利用してきた視点」と「利用者から“中の人”になった視点」、その2軸で考えるSHAKOBAへの期待と可能性について伺います。

Photo/Kayoko Yamamoto
Text/Go Tatsuwa

(左) 力丸朋子 株式会社リビタ 資産活用事業本部 地域連携事業部
(中) 原 匡仁 SHAKOBA 支配人
(右) 里見浩子 THINK ABOUT EAT .LLC 代表

会いたくなる、会いに行くような感覚

──みなさんのSHAKOBAでの役割を教えてください。

:僕は全体のまとめ役として支配人を務めます。

里見:私はSHAKOBAで提供する飲食メニューの開発を担当しています。

力丸:私はこれまでのBUKATSUDOなどのスペース運営の知見を生かしながら、支配人と共に場の活性化を担っていきます。

──原さん、里見さんはどのような経緯でリビタさんと関わるようになったのでしょうか。

:リビタの土山さん(※)とのプライベートでの交流からです。僕は昭和酒場が大好きで一人で飲み歩いてブログなどを書いていました。ちょうどBUKATSUDOがオープンした頃に、土山さんと飲んでいて「BUKATSUDOで何かやってみませんか?」と誘われて。

  ※土山広志(株式会社リビタ 資産活用事業本部 地域連携事業部 部⻑) SHAKOBAの企画・運営担当者で第一回鼎談に登場

当時はコミュニティなどには全く興味がなく、参加することも、ましてや自分が中心として関わることなんて考えもしなかった。「誰も来なかったらやめてもいいですか?」と酔った勢いで言ったのが始まりです(笑)。
BUKATSUDOの小部屋に「みなとみらい昭和文化研究部」という立て看板を出してお酒を飲んでいるだけでしたが、「どんなことをしているんですか?」と興味をもって覗いてくれる人が意外といたんです。そこから月1回集まって、ハムカツでも揚げてお酒飲むかと。
徐々に人も集まってきて、きちんとやらなければと気持ちが変わって積極的になっていった。凝り性なのか、昭和感を出すための工夫なんかもして。もともとアパレル業界にいたので、なんでも形から入るんですよ(笑)。
そこでの活動をきっかけに「ハムカツ太郎」名義でイベントの主催や登壇、テレビ出演などをさせていいただくようになりました。

里見:私は食をメインにしたコンテンツづくりをしていて、そのひとつにランチタイムを利用した1時間完結型の料理教室「EATALK」というものがあります。これを朝活プロジェクトとして展開できないかとリビタさんからご相談いただいたのがきっかけで、駒沢にあるシェアハウス(シェアプレイス駒沢)で朝7時から住人のみなさんと一緒に朝食を作って食べるという「ASAKOMA -EATALK」を2014年に開催しました。
そこからお付き合いが始まり、「the C」のオフィスを借りるようになり、2015年には「みなとみらい21エリアマネジメント活動助成事業」の助成を受けて、BUKATSUDOのキッチンを使った「みなとみらいごはん部」をリビタさんと協働で企画・運営しました。毎週定期的に、みなとみらいの在勤者、在住者、休日を利用して観光に来られた方々が食を通して交流する。普段は接点のない三者がコミュニティとして交わることができる貴重な場としてメディアにも取り上げられました。

──リビタが運営するコミュニティスペースで印象深いことはありますか。

:「みなとみらい昭和文化研究部」なんて立派な名前なのに、ハムカツ食べて酒を飲むだけ(笑)。それでも人が人を呼んで楽しんでいる様子を間近で見て、「こんなに喜んでくれるのか」と驚いて。「どうしたらもっと喜んでもらえるだろう」と、のめり込んでいきましたね。そうするうちに自分の輪も広がって、50歳にしてプライベートが180度変わりました。

力丸:完全に生活に溶け込んでいますよね。

:そのコミュニティが完全に自分の居場所になって、さらに新たな出会いや広がりを求めて気になるイベントにも積極的に参加するようになりましたね。

里見:コミュニティで重要なことは、そこに常にいる人のキャラクター。リビタさんの施設が特長的なのは必ず個性的な人がいること。その人に会いたくなる、会いに行くような感覚ですよね。
リビタさんの施設に常駐しているスタッフはみなさん個性的で心から楽しんでいることが伝わってくる。だからこそ、その場を訪れる人も楽しめる。その相乗効果が他にはない良さですし、SHAKOBAもきっとそうなると期待しています。

SHAKOBAとSHAKOの可能性

▲みなとみらい昭和文化研究部の様子

──SHAKOBAプロジェクトに参画されたきっかけを教えてください。

:同じ飲み屋で、同じ方に誘われまして(笑)。昨年、55歳で会社を辞めました。とはいえ次の予定も決まっていない。そんな中で土山さんと一緒に飲んでいるときに「ぴったりの仕事がありますよ!」とスカウトされて。完全にタイミングですね。自分の人生も第4コーナーを曲がったところ。この先は好きなことができれば一番いい。この数年の経験を通じて、いろんな世界があることに気づき、断らずに「なんでもやってみよう」というマインドになっていた。「SHAKOBAならきっと楽しめる」。その思いが決め手ですね。

里見:私はリビタさんから飲食コンサルティングのご相談をいただき、SHAKOBAのコンセプトに興味を持ちました。原さんが支配人になることも伺って「楽しくなりそうだな」と直感して。人の魅力は飲食の提供方法にも関わってくるので、新たな可能性とやりがいを感じましたね。

──SHAKOBAにはどのような可能性があるとお考えですか。

:器(施設の形態)が非常に特徴的ですよね。気軽な飲食を手頃な値段で提供し、そこにカラオケの要素も加わる。リビタの他の施設とも異なる雰囲気なので、新たな可能性が広がると思います。
支配人として表に立つのは初めての経験ですが、関わるスタッフの並々ならぬ熱意を日々感じながら、もうすぐみなさんにいい場を提供できるという期待が高まっています。

力丸:SHAKOBAの支配人という存在は唯一無二ですし、リビタが運営しているコミュニティスペースの中でも初めてのポジションとなります。これからのSHAKOをみんなで考えていく中で、SHAKOBAの支配人の役割もその時代ごとの雰囲気によって変わるものかもしれませんね。原さんのキャラクターを全面に出していただいて、人と人をつなぐ象徴的な存在として、施設の顔になっていただけたらうれしいです。

里見:コミュニティは同世代で集まりがちですが、SHAKOBAは世代を超えて一緒に集まることができる場になって、年齢による壁がいい意味で崩れそうな気がしています。
普段だと若い人たちが原さんくらいの世代の人たちと話すきっかけはあまりないでしょうけど、SHAKOBAにはそのきっかけが数多くある。原さんは話しかけやすく、知識も豊富。世代を超えた交流が想像できて、楽しそうに会話している様子が目に浮かびます。お互いの興味関心を共有して広げていく。そういった交流をサポートできるフード・ドリンクメニューを考えています。

力丸:SHAKOBAの可能性を運営担当者としての俯瞰的な視点で言うと、まずは、飲食、レンタルスペース、カラオケといった分かりやすい用途がある。さらにSHAKOBAならではの雰囲気を醸し出すマイク、スポットライト、ステージといったフックによって多様なシーンづくりができる。それぞれの要素が上手く掛け合わせられると面白いですよね。

:人が上がることができるステージの高さは人それぞれだと思うんです。すごく高いステージに立って全体を盛り上げる人もいれば、フロアに近い高さから身近な人に何かを発信する人もいる。そういった多様性が受け入れられる場所、いろいろな人が輝ける場所を目指して丁寧に向き合っていくことが大事だと考えています。

人の細かな動きや場の雰囲気、多様性を大切にする「食」のメニュー

──場の雰囲気づくりにおいて「食」は重要な役割を担います。SHAKOBAにおける「食」にはどのようなテーマがありますか?

力丸:SHAKOBAにおける「食」はコミュニケーションを促進するひとつのツールであると位置づけています。例えば料理を取り分けるとなると会話が中断してしまったり、後輩が気をつかうような場面が出てきてしまう。人の細かな動きやシーンを想像しながら、その場の雰囲気や盛り上がりを邪魔しないメニューを考えています。また、お酒が飲めない方にも楽しんでいただきたいと思い、モクテル(ノンアルコールカクテル)を加えたいとオーダーしました。
里見さんの立場からすると難しいオーダーばかりだったと思いますが、その先にある気持ちを伝えていくことで里見さんが一つひとつ丁寧に形にしていってくださった。本当に感謝しています。

里見:最近はモクテルバーも増えてきていますし、飲めない方、飲まない方も楽しめる場があるといいですよね。そういう意味でボーダレスにしたいと思ったんです。お酒が飲めないことで一緒に楽しめないのは寂しいですから。
SHAKOBAでは食に関するポイントがいくつかあって、見せ方が重要なポイントになりますが、細かく決めていただいたので組み立てやすかったですね。カラオケのイメージでマイク風のコーンに乗せたポテトサラダなど、見た目のかわいらしさも魅力です。だからといって全部かわいくすればいいということでもない。原さんのハムカツは「theハムカツ!」です(笑)。

▲提供予定のフード&ドリンク ※実際の提供と異なる場合がございます。

力丸:スナックのようなレトロな雰囲気がSHAKOBAの魅力のひとつですが、懐古主義で全面的に再現するのではなく、令和の時代にアップデートしたい。飲食は施設の顔になる重要な要素です。一つひとつのメニューにちょっとしたストーリーもあって、その背景が語れると興味を持ってもらえる。いずれは好きなメニューの総選挙もしてみたいですね(笑)

里見:SHAKOBAという空間で出すことが大前提で、かわいらしすぎず、でも思わずSNSでシェアしたくなるような工夫を随所に施しています。少しでも話題のきっかけになって、より多くの人に知ってもらえたらと思っています。

サービスを「受ける」「提供する」。この両方ができるスペースはなかなかない

──利用者目線ではSHAKOBAをどのように使ってみたいですか。

:使い方は本当にたくさんありますよね。スナック的なカウンターのある「ROOM A」だと、自分のお店のような感覚でイベントや飲み会を楽しめる。お客さんとして通っているお店でもカウンターの中に入ると見える景色が全然違うことに驚く。そういった楽しさも味わえる。サービスを「受ける」「提供する」。この両方ができるスペースはなかなかないと思います。

里見:原さんのおっしゃる通りですね。食べに行くこともできるし、自分で何かを開催することもできる。その使い勝手の良さも大きな魅力です。食べに来た人が、スペースを借りて何かできることを知って、さらに発信することの楽しさに気づくこともあるでしょう。ロケーションもいいですし、私自身も借りてイベントをしてみたいですね。

力丸:スペースを運営する中でサービスを提供する側と受ける側で分けてしまうのはもったいないと常々感じていましたし、実際にあえてその境界を曖昧にすることで、利用者さんが“中の人”になっていく経験も数多くしてきました。個人的にはスナックとカラオケが好きなので、お客さんとしても思いっきり遊びたいです(笑)。運営担当者としては「施設を育てていくこと」を意識したいと考えています。施設に愛着が生まれることで、利用者さんが一緒に育てていってくれる。困った時ややりたいことがある時はお互いに助け合うこともできる。そういった場を共有する一体感が生まれたらいいなと思っています。

──令和の時代のSHAKOとは、どういったものになるとお考えですか。

:令和だからといって大きく変わることはなく、核心はいつの時代も同じだと思います。SHAKOBAという空間の中でいろんな角度からスポットライトを当てる。そういう施設であることが新しい。人と人とのつながりが、これまで以上にSHAKOを通して強固なものになるだろうと感じています。

里見:これからの時代は選択できることが重要になります。みんなで集まることもできるし、個々でも楽しめる。この数カ月間で、さまざまなことがリモートでできると分かった一方で、「人に会いたい!」というマインドも強まりましたよね。人と人が会う、その関係性は変わらないけれど、そのときのメンタルや環境によって選ぶことができる。多様化するライフスタイルに応える選択肢こそが、SHAKOのひとつのカギかもしれません。

力丸:これがSHAKOですという明確な答えはなく、探究し続けていくものだと思います。コミュニティというと内と外で分断されているイメージもありますよね。無関心がいちばん怖い。個々の違いを認めたうえで、それぞれの気持ちや言葉を受け止めてリアクションしてもらえる世界はとても優しいですよね。
SHAKOとは時代によって変化する余白のようなものですが、あえて言語化する。ひとつのコンセプトとして発信していく。そうやって追求していくうちに、そこに集う人たちが“中の人”になっていく新たなストーリーが生まれるといいなと思っています。SHAKOはひとりではできない。小さなアクションの積み重ねがSHAKOになっていく。SHAKOBAが多くの人にとって、自分らしさを表現しやすい、居心地のいい場所になっていくことを願っています。

<鼎談者プロフィール>

原 匡仁
SHAKOBA 支配人

1964年神奈川県横浜市生まれ。大学卒業後、アパレル会社に勤務する傍らBUKATSUDOみなとみらい昭和文化研究部部長としてコミュニティ運営に携わり、「場」 創りの重要性を実感。イベントをきっかけにハムカツの魅力にも心酔し、2018年7月にTBS「マツコの知らない世界」にハムカツ太郎として出演。その他メディア出演多数。この度、32年間勤めた会社を退職し、SHAKOBA支配人に就任。

里見浩子
THINK ABOUT EAT .LCC 代表

多種にわたる企業タイアップによる販売促進&PR事業を主軸に、有効活用したい施設空間にあわせた「食」のコンテンツ提供やディレクション、地域コミュニティ事業を行う。自社コンテンツに、ランチタイムの1時間を使った料理教室『EATALK』などがある。

力丸朋子
株式会社リビタ 資産活用事業本部 地域連携事業部

2016年、株式会社リビタ入社。「働く」「学ぶ」「遊ぶ」等を軸としたシェアスペースやコワーキングスペース、レンタルスペースの運営・コンテンツ企画を行ない、地域と連携した場の活性化事業を担当。主な担当施設およびプロジェクトは、大人のシェアスペース「BUKATSUDO」、ローカルの発信拠点「the C」、ワーカー専用シェアスペース「ハマラボ!!!」等。施設利用者との日々のコミュニケーションの中で、場を居場所化するための運営施策に従事する。

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